EDMの作り方

EDMとは

EDMとは、エレクトロニック・ダンス・ミュージックの略称で、主にシンサイザーなどの電子音を使い、クラブなどで踊ることを目的として流れる音楽のことです。

昨今では、電子音楽のみならず、生楽器などもふんだんに使われEDMのなかでも多彩なジャンルが存在します。

EDMの有名な曲

やはり一番に名前があがるとしたらアヴィーチーでしょうか2018年にこの世を去ってしまいましたが、音楽シーンに多大な影響を与えました。

ZEDDも有名なプロデューサーですが、ボーカルをフューチャーした曲が多いので聞きやすく、日本でもとても人気があります。

ニッキーロメロはSEAKI NO OWARIの楽曲をプロデュースしていたり、サイドチェインのプラグインもプロデュースしているのでDTMをやっている人にも身近な存在ではないでしょうか。

EDMのポイント

  1. 4分打ちキック
  2. レイヤー
  3. サイドチェイン

基本的には4分打ちのキックが定番です。フロアで躍らせることを目的としているので通常のポップスよりも低音を効かせた音を選びましょう。

レイヤーとは音を重ねる事を言います。EDMではシンセサイザーを多用しますが、リフやメロディに特色の違う音を重ねることがよくあります。

サイドチェインはダッキングともいいますが、コンプレッサーをつかって、音量をコントロールをすることにより独特なグルーブを生み出すことを言います。

EDMの制作の流れ

今回は私が実際に作った曲を元に解説していきます。曲は上記から聞けるので参考にしてみてください。

ドラム

まずはリズム体です。EDMのドラムの中で最も重要なものはキック(バスドラ)でしょう。低音を効かせた音で4分打ちで「ドンドン・・・」と鳴らすのが定石です。

Battery、XO、GrooveAgent、IMPACTなどのサンプラータイプのドラムに、キックのオーディオを読み込ませ、打ち込んり、またキックのオーディオをDAWにそのまま貼って作っていく方法もあります。その上に、スネアやクラップを重ねたり、8分音符でハイハットやライドシンバルをいれます。さらにパーカッションやループなど細かく入れることで、より細かいビートを演出できるでしょう。

今回は4分打ちのキックにあわせてクラップもいれています。それにライドシンバルが8分で、シェイカーを16分でいれています。キックとクラップは基本同じタイミングで鳴っているので、飽きがこないよう、クラップは別タイミングで加えていたりもします。

ドラム全体で聞くと、複雑に聞こえるかもしれませんが、キックやシンバル以外は実はループ素材を使っています。ループ素材を選んで挿入して聞いてを繰り返すだけですので簡単です。また自分で打ち込むものとは違う雰囲気を作れますので、積極的にループ素材を使うのをおすすめします。

コード

コードは「Am – Fsus2-  G/C – C」「Am – Fsus2 – C/G – G」の繰り返しにしています。

EDMは基本的には、同じコード進行をずっと繰り返すことが多いです。気持ちのよいグルーブをループして踊れる曲というのが、EDMの特色でもあるので、頻繫にコードが変わるのは避けたほうがよいでしょう。

ただ、イントロでは、上記の画像のように白玉ですが、ビルドアップやドロップの場面では、コードをバッキングのように動かしてます。コードは変わらないけれど、白玉だけで1曲通して流すのはさすがにあきてしまうので、展開が変わるところでは、バッキングのパターンも変えています。

コードの音色はピアノですが、NEXUSや、AVENGERのピアノをレイヤー(重ねて)して使っています。EDM系の場合、生のグランドピアノのような音は避けて、最初からデジタルに加工された音を使うのがおすすめです。

リフ

メインのフレーズです。AVENGERでメインとなるリフフレーズを作っています。こちらも、音をレイヤーさせています。

①メインリフ

②サブリフ(ストリングス)

③サブリフ(シンセリード)

合わせるとこんな感じです。

メインリフは、ベースラインもいれていたり、ストリングスの音色はオクターブでかさねたりと、音色にあわせて、また混ぜた時の印象を豪華にするため、ここはただmidiをコピペして重ねるだけでなく、いろいろと工夫しています。

ベース

ベースは、基本的にコードのルートをドラムやリフにあわせて、刻んでいます。また、こちらもEDMの特色ですが、サブベースを入れて、音を補強しています。

ウワモノ

ベーシックの部分が完成したら、上物として、細かいシーケンス(ピコピコ)やパッドの音をいれています。

画像はシーケンスです。この曲はCメジャーキーの曲ですので、Cメジャースケールの音で16分で音を散らしています。

ブラッシュアップ&調整

基本のパターンができたら、それをもとに、音を抜いたりして、イントロを作ったりビルドアップとよばれる、サビにつなげる盛り上がれる箇所を作ったりします。ビルドアップでよく使われるのがスネアの連打とライザーと呼ばれる効果音です

今回の曲でも、スネアの連打とライザーを使っています。

また今回の曲ではキックをトリガーとして、ベースとピアノにサイドチェインをかけています。

その他、フィルなどをいれて展開と展開をつなげています。スネアの連打やライザー、フィルなどは、今回の曲ではすべてオーディオ素材を使っています。Spliceというサービスに入れば、オーディオ素材やシンセのプリセット音などをかなり自由に使うことができますので、Spliceの加入も検討すると良いでしょう。EDM系のようにオーディオ素材をよく使用するようなジャンルのものを本格的にやりたい人はほぼ必須のサービスかと思います。

最後に

EDMの制作は、DAWソフトの機能を多く使う必要性が高いジャンルです。また音楽理論などもそこまで高度な事を必要とせず、一度作ったものを、繰り返すことも多いのでわりと、とっつきやすいジャンルだと個人的に思いますし、ご自身のDAWを扱う技術の向上に役にたちます。EDMの音楽が好きな人ならぜひ一度はチャレンジしてもらえたらと思います。