「プロっぽい、かっこいい曲を作りたい」
「でも、有料音源やプラグインは高くて、まだなかなか手が出せない」
DTMを始めたばかりの頃は、そう感じる方も多いと思います。
SNSや動画を見ていると、有名な有料音源や高価なプラグインの名前が次々に出てきます。プロの制作環境を見るほど、「やっぱりお金をかけないと、クオリティの高い曲は作れないのかな」と不安になるかもしれません。
たしかに、有料音源には便利なものがたくさんあります。
ただ、DTM初心者の段階で本当に大切なのは、最初から音源を買いそろえることではありません。
まずは、手元にある音源をどう鳴らすか。
楽器の特徴を理解して、どのように打ち込むか。
曲の中で、その音にどんな役割を持たせるか。
ここを見直すだけでも、曲の聞こえ方は大きく変わります。
今回は、DTM初心者にも試しやすい無料音源・付属音源の例と、無料音源の良さを引き出すための打ち込みのコツを紹介します。それぞれに私が作成したデモも入れてるので参考にしてみてください。
【おすすめ無料音源1:MODO BASS2のフリー版】
ベース音源として試しやすいもののひとつが、MODO BASS2のフリー版です。
MODO BASS2は、ベースの音をサンプルではなく物理モデリングで鳴らすタイプの音源です。大量の録音データを読み込むサンプル音源とは仕組みが異なるため、容量が軽いのが特徴です。
フリー版では使えるモデルに制限がありますが、王道のベースサウンドをDTMに取り入れたい初心者にとっては、十分な音源です。ちなみに、同じIK MultimediaからでているMODO DRUMのフリー版もおすすめなんですが
今回は省略いたします。
ベースは、曲の土台を作るとても大切なパートです。
コードのルートを支えるだけでなく、リズムの動きやサビの盛り上がりにも大きく関わります。
たとえば、ずっと同じ長さでルート音だけを鳴らしていると、曲全体が平坦に聞こえることがあります。
そこに半音で経過音を入れたり、音の長さを変えたり、ピッチベンドやキースイッチでスライドを作ったりすると、ベースラインに動きが出てきます。
良いベース音源を入れるだけで終わらせず、ベースらしい動き方を少しずつ覚えていくことが大切です。
下のデモは、MODOBASSを使用したデモです、ノイズやプリングなど使ってファンキーにしてみました。
【おすすめ無料音源2:Ample Guitarの無料版】
ギターをリアルに打ち込むのは、DTM初心者がつまずきやすいポイントのひとつです。
DAW付属のギター音源をそのまま鍵盤で打ち込むと、どうしても「キーボードでギターっぽい音を鳴らしている」印象になりやすくなります。
そこで試しやすいのが、Ample Guitarの無料版です。
Ample Guitarは、アコースティックギターのストロークや演奏ニュアンスを再現しやすい音源です。コードの響きとストロークの動きを分けて打ち込めるため、普通に鍵盤で和音を押さえるよりも、ギターらしい演奏に近づけやすくなります。
ギターの打ち込みで大切なのは、単にコードを鳴らすことではありません。
ダウンストロークとアップストローク。
ミュート。
弦をこするようなノイズ。
コードチェンジのタイミング。
音が鳴り終わる長さ。
こうした奏法や細かい要素が入ることで、ギターらしさが出てきます。
最初は難しく感じるかもしれませんが、すべてを完璧に再現する必要はありません。
まずは「ただ和音を置く」のではなく、「ギターを弾いている動き」をイメージして打ち込むだけでも、聞こえ方が変わります。
デモは無料版ではなくエレキギターのAmpleGt PFエレキギターのデモです
【おすすめ無料音源3:DAW付属の標準音源】
CubaseのHALion SonicやGroove Agentのように、DAWに最初から入っている標準音源も、初心者にとっては大切な練習材料です。
付属音源は「最初から入っているから普通」「有料音源より劣る」と思われがちですが、曲作りの基礎を学ぶには十分使えます。
特に、DTMを始めたばかりの段階では、いきなり音源を増やすよりも、付属音源を使って次のようなことを学ぶ方が力になります。
・音色ごとの役割を考える
・ベロシティで強弱をつける
・音の長さやタイミングを調整する
・EQやコンプレッサーで音を整える
・リバーブで奥行きを作る
付属音源をそのまま鳴らすと、少し物足りなく聞こえることはあります。
しかし、打ち込みやエフェクト処理を工夫すれば、曲の中で十分に使える音になる場合もあります。
「良い音源を買えば解決する」と考える前に、今ある音源でどこまで整えられるかを試してみる。
その経験は、有料音源を使うようになったあとにも必ず役立ちます。
【打ち込みのコツ1:ギターはキースイッチとノイズを活用する】
アコースティックギターを自然に聞かせたい場合は、キースイッチを活用してみましょう。
キースイッチとは、音色や奏法を切り替えるための仕組みです。
たとえば、通常のストローク、ミュート、アップストローク、ダウンストロークなどを切り替えながら打ち込むことで、よりギターらしい演奏に近づけられます。
Ample Guitarのような音源では、コードの指定とストロークの指定を分けて考えることができます。
コードを鳴らすだけではなく、どのタイミングで弦を下ろすのか。
どこでアップストロークを入れるのか。
どこをミュートしてリズムを作るのか。
このように、実際にギターを弾いている動きを想像しながら打ち込むと、ベタ打ち感が減っていきます。
さらに、コードチェンジの合間にノイズの音を薄く入れると、演奏の存在感が出やすくなります。
デモは、リフと、カッティングを打ち込んでいます。こちらもAmpleGt PFを使用しています。
【打ち込みのコツ2:ハイハットのベロシティに波を作る】
ドラムの打ち込みが機械的に聞こえるときは、まずハイハットを見直してみてください。
ハイハットは、曲のノリを作るうえでとても重要です。
すべてのハイハットを同じ強さで打ち込むと、リズムが硬く聞こえやすくなります。
たとえば、8分音符で刻む場合、表拍を少し強めに、裏拍を少し弱めにするだけでも印象が変わります。
強い音、弱い音、少しだけ軽く鳴る音。
この差があることで、リズムに揺れや流れが生まれます。
最初は細かく作り込まなくても大丈夫です。
まずは、ハイハットが全部同じ強さになっていないかを確認してみてください。
そこから、曲のテンポやジャンルに合わせて、少しずつ強弱を調整していきましょう。
【打ち込みのコツ3:スネアにゴーストノートを入れる】
ドラムにもう少し動きを出したいときは、スネアのゴーストノートを試してみるのもおすすめです。
ゴーストノートとは、メインのスネアよりもかなり小さく入れる細かい音のことです。
はっきり目立つ音ではなく、リズムの隙間でうっすら聞こえるような音です。
たとえば、強いスネアの前後に小さなスネアを入れると、ドラマーが細かく手を動かしているようなニュアンスが出ます。
最初は、メインのスネアを邪魔しない程度に、ベロシティをかなり下げて入れてみてください。
入れた状態と外した状態を聴き比べると、リズムの奥行きが少し変わるのがわかると思います。
動画のデモでもハイハットやゴーストノートなど細かくいれております。
【打ち込みのコツ4:ベースは経過音とスライドで動きを作る】
ベースラインが単調に聞こえるときは、経過音を入れてみましょう。
たとえば、FからGへ進む場合、間にF#を短く入れる。
CからAへ向かうときに、途中の音を一瞬だけ通る。
こうした経過音を入れることで、ベースラインがなめらかにつながりやすくなります。
ただし、入れれば入れるほど良いわけではありません。
ベースは曲の土台なので、動きすぎるとメロディやコードの邪魔になることもあります。
もうひとつ試したいのが、ピッチベンドやキースイッチを使ったスライドです。
注意したいのは、ピッチベンドを動かしたあとに、必ず値を中央に戻すことです。
戻し忘れると、その後のベース全体の音程がずれたままになり、「なぜか音が合わない」という状態になってしまいます。
スライドを作るときは、音程を動かすポイントだけでなく、元に戻すポイントもセットで打ち込む。
これは初心者のうちに覚えておきたい大切なポイントです。
動画のデモでもシンプルなロックパターンのなかにも、経過音やスライドをまぜて単調にならないようにしています。
【無料音源を使うほど、楽器の特性を考える力が育つ】
無料音源を使っていると、「音源の限界」を感じることがあるかもしれません。
でも、その中でどうすれば良く聞こえるかを考える時間は、DTMの上達につながります。
ギターなら、実際の弦の動き。
ドラムなら、手足の動きや強弱。
ベースなら、コードを支えながら曲を前に進める役割。
ピアノなら、音の重なりや強弱のバランス。
こうした楽器ごとの特徴を考えながら打ち込むことで、ただ音を並べるだけの状態から少しずつ抜け出せます。
有料音源を買うことが悪いわけではありません。
必要なタイミングで導入すれば、制作の幅は広がります。
ただ、音源を買う前に、今ある音源で「どう鳴らせば曲の中で活きるのか」を考えることはとても大切です。
【有料音源を買う前に、セール時期も確認しておく】
将来的に有料音源を買いたい場合は、購入のタイミングにも注意しましょう。
音源やプラグインのメーカーは、セールを行うことがあります。
定価で買った直後に大幅セールが始まると、少しもったいない気持ちになるかもしれません。
特に海外メーカーの音源やプラグインは、ブラックフライデーや年末年始、メーカー独自のキャンペーンなどで価格が大きく変わることがあります。
気になる音源がある場合は、すぐに購入せず、過去のセール傾向やキャンペーン時期を調べてみるのもひとつの方法です。
「今の自分の曲に本当に必要か」
「どのパートを良くするために使うのか」
「今ある音源では何が足りないのか」
このあたりを考えてから選ぶと、無駄な買い物を減らしやすくなるでしょう。
